持ち家か?賃貸か?

持ち家と賃貸で、どちらがいいかとか、どちらが得でどちらが損かとか、そういった議論はこれまでさんざんなされてきました。住宅情報誌では何度も特集が組まれていますし、ネットで調べれば山ほど記事がヒットします。しかし、いまだ明確な結論は出ていません。費用のシミュレーションをしたり、住み心地の比較をしたとしても、それが万人に当てはまるわけではないからです。家がほしいと思ったら、ほしいと思ったときに、ほしいと思った場所で買えばいい。僕は個人的にそう思っています。ただし、将来的なリスクを承知したうえで、にはなりますが。

家を買うということは一生に一度あるかないかの大きな買い物であり、それは昔も今も変わりません。何十年にも渡る住宅ローンを支払っていけるのか、どうしても不安がつきまとうでしょう。以前であれば、単純に持ち家と賃貸のどちらを選択するかということは、頭金と月々支払うローン返済額から単純に割り出せていました。ただ、現在は地価の下落やローコスト住宅を実施する会社の増加などにより、月々のローン返済が賃貸の家賃並みで済む場合も多く、それだけを考えれば「もう持ち家でもいいんじゃないの」と思えてきます。買いやすいと言えば買いやすい。しかし逆に、「この先、もっと値下がりするんじゃないか」「資産価値は維持することができるのか」「将来売るとなったときに、ちゃんと売れるのか」といった心配事は増えたような気もします。

持ち家のメリットとして、支払いが完済すれば自分の資産なることが挙げられます。年金支給年齢が引き上げられたり、そもそも年金はちゃんと支給されるのかも不透明ななかで、「一生賃貸住まいで、家賃を払い続けることができるのか」という懸念は消えないのではないでしょうか。持ち家の場合、固定資産税・都市計画税(マンションであればプラスして管理費・修繕積立金)といったランニングコストがかかりますが、住宅ローン完済後の月々負担は随分軽くなるはずです。しかし賃貸の場合、住宅ローンと同じ金額の家賃を毎月支払ったとしても、それは永遠に自分の資産にはなりません。賃貸住まいでもリスクはある、ということをわかっておく必要があります。

今は、リースバックやリバースモーゲージといった制度もできています。リースバックとは、自宅を不動産会社等に買い取ってもらい、その買主から当該不動産(=元自宅)を賃借する方法のことです。リースバックすれば、不動産売却の収入を得たうえで、元自宅をそのまま使い続けることができるわけです。一方で、賃料を支払い続けなければならず、物件の利用に当たっては契約条件に従わなければならなりません。いろいろ縛りはありつつも、老後の選択肢の一つとして考えておいても良いでしょう。そして、リバースモーゲージとは、自宅を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる主にシニア層向けの融資制度。死亡後は自宅を売却して、その代金を融資の一括返済に充てます。住宅ローンは最初に借りて、借り入れた額を毎月返済するのに対し、リバースモーゲージは毎月借りて、最後(死後)にまとめて返済するので、逆住宅ローンのような性格があります。

いずれにせよ、「持ち家か賃貸か問題」で、損得に関して明確な結論は出ないと思います。一般の人でもそうなので、転勤族にとって家の購入の決断は相当難しく、また勇気のいることなのではないでしょうか(自分で言うのもなんですが・・・)。ネットなどで調べたり、不動産屋さんに相談することも重要ですが、最後の最後は「自分にとってどうなのか」を考えて、決断するしかないんじゃないかと思っています。